大道芸通信 第340号

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『熈(き)代(だい)勝(しよう)覧(らん)』が載せる生業⑩
前回紹介したのは昨年三月号だから丁度一年前 ということになる。今回は絵を見ただけではどんな生業かわからないものが多い。御存知の方は是非ともご一報を待ちます。室町二丁目通りのの路上風景である。

傘持ち仲間を露払いに、馬に乗った武士が仲間に,何やら話しかけている様。  
棒手振(天秤棒を担う振り売りのこと)だが、網の中には何が入っているものやら不明。
巡礼者か?西国三十三箇寺を巡る者を巡礼と呼ぶ。
笊屋。笊は嵩張っても目方が軽いので,売れれば楽な生業であった。売り声は「笊やあ味噌漉し」である。
僧侶一行と辻駕籠。右側三人が僧侶一行。綴じた傘を持つ男は,日差しが暑いとき坊主にかざすのが役目。辻駕籠は一人が空の駕籠を担ぎ、一人は息杖を持ち運んでいるところである。
何だか不明だが、重量のある瓶か壺だろう。歯を食いしばりながらにらみつけている様は,如何にも重量物運びを連想する。
(以下2面)
本屋?
振り売り
盲目者 笛が見当たらないので按摩ではないように見えるが、『守貞謾稿』に、「江戸には笛を用ひず(に)詞に、あんま、はりの療治と呼巡るもあり」とあるから、按摩の可能性も捨てきれない。
上の一番左の絵は、短時間で売り切る魚などの振り売り。一方右の絵は、野菜のように重く時間のかかるものを売る振り売りである。
実際には何を売っているのか絵だけではよくわからないが、右の絵は息杖を立てて天秤棒を載せ、休憩しているところである。対して上の絵は、売り歩いている場面である。
息杖を必要としない程荷が軽いか,短時間で売り切ってしまうか,どちらかである(勿論両方でも構わない)。
三人引きの大八車で切石(普請建物の土台と思われる)を運んできたところ。今なら大型トラックで楽に運べるだろうが、当時そんなものはない。三人が並んで牽けるような軛(長柄)がついた大八車に、後ろから押手が一人乃至二人ついて、四五人で運んだ。
(左図は『熈代勝覧』の通本町を通る様である)
十軒店「万屋」(雛人形屋)の配達?
大風呂敷に附けられた紋所が左記万屋暖簾と同じ。
十軒店に雛市が出るのは先月号にも書いたように、二月二十五日から三月二日迄 十軒店の左に二八蕎麦(そば)と饂(うん)飩(どん)の看板が出ている店がある。現在では饂飩と蕎麦を並べて書くことはない。当時は普通であった二八うどんという言葉が死語になったからである。それに喜んだのは、二八そば配合説論者である。
「二八(十六文)」という言い方は、元々かけそば、かけうどんの値段に由来する。だから、そばに限らずうどんにも使われていた。上の看板が証拠である。二八そば配合説は藩政末期から云う者が出てきたが、「二八でない時代もあった」だの「値段というのは間違い」だのいうばかりで何の根拠も示さない。因みにいうと,二八以前は「二六うどんやそば」であった。一杯八文だった享保年間には「一八」「二八」「三八」と云うこともあった。但しその頃は、一杯二杯三杯の値段を顕す。つまり、一杯なら八文、二杯十六文というように、九九である。 これが寛延年間に、一杯十二文になる頃から「二六そば二六うどん」と呼ばれるようになった。その後文化年間には十六文になり「二八うどん二八そば」と呼ばれるようになり、元治年間まで六十年以上続いた。

 大道芸の会会員募集 

「南京玉すだれ」や「がまの膏売り」など、古来から伝わる庶民の伝統文化「大道芸」を一緒に伝承ませんか。練習日は左記の通りです。
●第三三八回目 四月八日(水(すい))

●第三三九回目 五月十三日(水(すい))予定
時間・午後七時ー九時
場所・烏山区民センター 大広間(二階)

また、歴史や時代背景を学び、或いは技術を向上させたい人(オンリー・ワンやナンバー・ワンを目指す人)のために、一名から学習会や特別練習も行っています。
●日時 ・場所(随時)
 随時HP掲示板(ほーむぺーじけいじばん)等で通知

編集雑記
今月仲間の一人が引退した。それで改めて伝承者を確認したら、東京で五六人。全国でも十人いないようである。あらゆる芸能の原点でありながら、ワシントン条約は言わずもがな、芸能史からも全く無視され続けている絶滅危惧種「大道芸」。自分が最後の伝承者にならないよう、会を始めて早二十五年余。あと二三人は伝承する仲間を求めたい。但し、十年間は辛抱する覚悟は必要です。









 鷹匠。この絵ではよくわからないが,前を歩く男の左腕に着いている黒いものは鷹ということである。
 箍屋。桶の外側から巻き付けて,桶がばらばらにならないようにするものが箍である。最近の箍は金属が増えたが,元は竹であった。

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