大道芸通信 第327号

画像画像『煕代勝覧』が載せる生業⑨
 本絵巻には総勢一六七一名の人間が描かれているが、内女性は約二〇〇名だそうである。比率にすると十二%たらず。漠然と思っていたより更に少ない。町作りが始まった幕初なら兎も角、幕末近い文化二年(一八〇五)頃になっても、未だそんなに差があったのかと改めて驚く。

●猿登り(右)と金比羅行人
「猿登り」は猿が竹竿を登らせて遊ぶ玩具
「金比羅行人」は讃岐の金比羅さんへお参りすることを建前とする願人。実際には四国へなど行かず近在を廻って喜捨(生活費)を集めるだけの偽者が多かった。
●饅頭売り?
子供相手に売っているのは饅頭か駄菓子か  何れにしろ子供の小遣いで買える程度の物売り
●料理の出前?
 ご近所へのお裾分けかも知れないが、当時の風習を知らないので分からない
●布(きれ)売り
「ぬの」と読んだら反物(=着物一着分の布)を指す。振り売りが売り歩いたのは、反物で着物を仕立てた後に残る端(は)布(ぎれ)である。だから「きれ」と読まなければいけない。全体を覆うように掛けてあるのは、埃よけの布(ぬの)。
● 青菜売り
右下の画、客と思える男に呼び止められているのは「青菜」売りである。前荷の菜を欲しいと行っているのであろう
●振り売り(品物不明)
 振り声を掛けながら売り歩くのが「振り売り」だが、中でも天秤棒で担い歩くのを「棒手振(ぼてふり)」とも呼んだ。従って青菜売りも棒手振と呼んでいい。
●貸本屋?
当時は本が非常に高かったので、庶民は貸本屋を利用した。現在の図書館的な役目もしていた。
●竃(かまど)運び
客からの注文に応じて、作り置きしてある竃の中から運んで運んだり、現地へ行って注文にしたがって、その場で造ったりした。ここでは作り置きの竃を三人がかりで運んでいるところ。捻り鉢巻きで付いている男は竃職人。据え付けの指示や、その後の微調整をするためについて行った。
●手遊び売り
手遊びは玩具のこと。幟やでんでん太鼓などを藁(わら)(俗称「弁慶」)に刺して繁華の地へ運び売り歩いた。客寄せに太鼓を鳴らしたり、手遊びで客の目を引いた。
● 箍(たが)屋(や)
樽や桶の廻りに巻いて締める。今は針金や鉄板だが、当時は竹を割った「箍(たが)」であった。天秤棒の先に道具箱を後に箍を担い運んでいる処。
●武士駕籠
息杖を持った駕籠担きが二人と警護の武士が二人の四人がかりである。  
●不明
●小間物屋?
抽斗の並んだ箪笥を担っているのは大抵小間物屋
●振り按摩
固定客を持たない流しの按摩。笛を吹き鳴らし客に呼び止められるのを待つ。
●酒屋の小僧
右手に通い帳を左手に角樽を持つ酒屋の小僧
●虚無僧
●鈴を持つ神道者
 実際は乞食の類。適当なことを言って銭をせしめた
●駿河町への入口右側番屋と左側番屋
木戸番屋では商売をすることが認められていた。駿河町へ面した側では諸雑貨を販売している。同左側番屋も表側では商売しているが、裏側は居住空間。
●回向院勧化僧一行
 幟に「本堂」、供が持つ箱に「文化二 回向院」とあるから、本堂建立のための御免勧化一行とわかる。

大道芸の会会員募集 
「南京玉すだれ」や「がまの膏売り」など、古来から伝わる庶民の伝統文化「大道芸」を一緒に伝承ませんか。練習日は左記の通りです。
●第三二四回目 四月十日(水(すい))

●第三二五回目 五月八日(水(すい))予定
時間・午後七時ー九時
場所・烏山区民センター 大広間(二階)

 また、歴史や時代背景を学び、或いは技術を向上させたい人(オンリー・ワンやナンバー・ワンを目指す人)のために、一名から学習会や特別練習も行っています。
●日時 ・場所(随時) 随時HP掲示板(ほーむぺーじけいじばん)等で通知

編集雑記
まだ先のことと思っていた深川江戸資料館主催「江戸の物売りと大道芸」イベントだが、今週土曜日(十六日)に迫った。気が焦る!!
 今号で取り上げた『煕代勝覧』の中だけでも思いも掛けない生業がある。全て確定したいが、外見だけではわからない。商品が確定すれば簡単だが、小さな絵に全ての情報を収める事は不可能だから諦めるしかない。かくして悩みが増える。

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